特別展「三国志」で考えた黄河文明と長江文明のこと

2019年7月9日(火)から東京国立博物館で開催されている特別展「三国志」三国志好きの方なら気になる展示ですよね。もう見に行ったという方も大勢いらっしゃるかと思います。 たくさんの素晴らしい展示品の中で、この犬の像が気に …

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三国時代の北方と南方はローマとエジプトくらい違う?

『三国志』は三国を統一した晋の時代に編纂されました。晋は長安や洛陽がある「中原」出身の漢族によって建てられた王朝です。このため、『三国志』を通して見ると、漢族が治めている地域は全て中原と同じような社会だったのではないかな …

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八十三、兄弟(1)

 漢中(かんちゅう)のような、四(し)海(かい)の内では比較的平和で豊かな土地で生まれ育った俺たちでも、家から一歩出れば常に警戒心を持って身を守らなければならないと教え込まれて育っている。そんなことは、当たり前の常識だ。 …

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八十三、兄弟(2)

 今日の川下りは楽ちんだ。筏はすでに組まれており、熟練の漕(こ)ぎ手もついている。俺たちはただ筏に乗っかって、敵影が見えるまでボケッとしていればいいだけだ。敵なんか、来ないかもしれないし。来たとしても、呉将軍の工作が完了 …

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八十三、兄弟(3)

 陽射しがじりじりと暑い。どうしていっつも夏に筏に乗らされるんだろうな。川の上は日差しを遮るものがないからキツいんだって。隊長は船頭さんと一緒にノリノリで渡し場の唄(うた)を歌っている。なんか、襄陽(じょうよう)の渡し場 …

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八十三、兄弟(4)

 ずいぶん大がかりだな。火(か)炎(えん)瓶(びん)まで飛んで来る。いや、火炎瓶じゃない。油の入った壺をぶん投げて来て、そこに火矢を射かけてるんだ。こんな準備までしてあるなんて、今日我々がここに来ることは敵にすっかり読ま …

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八十三、兄弟(5)

黄屯長は隊長に向かってひとしきり罵詈(ばり)雑言(ぞうごん)を投げつけた後、みんなに向かって筏を放棄して泳いで南岸へ渡るよう指示を出した。我々の着ている筒袖鎧(とうしゅうがい)は高価なものだが、みんなせっせと脱ぎ捨てて水 …

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