特別展「三国志」に行ってきた!みどころを紹介

現在、九州国立博物館で開催中の特別展「三国志」
(~2020年1月5日(日)まで)
東京では一足早く開催され、2019年9月16日(月)に開期を終えました。

私は東京の展示を開催初日の7月9日(火)と終了間近の9月2日に見に行きまして、と~っても楽しかったので、これから見に行くのを楽しみにしていらっしゃる方のためにネタバレ少なめで感想とみどころをご紹介させていただきます!

※この記事は東京国立博物館の展示の感想レポートです。九州の展示と内容や順番などが異なる可能性もありますのでご了承下さい。

九州国立博物館の告知を見たところ、東京の展示とは並べ方が異なるようです。また違った魅力を味わえそうですね!

特別展「三国志」とは

特別展「三国志」は日中文化交流協定締結40周年を記念して企画された展示です。
下記の二箇所での開催です。
 東京国立博物館 2019年7月9日(火)~9月16日(月・祝)
 九州国立博物館 2019年10月1日(火)~2020年1月5日(日)

合言葉は「リアル三国志」
漢~三国時代を中心とした文物の実物を見ることで、三国志をリアルに感じることができます。
三国志の展示といえば十年ほど前の「大三国志展」が記憶に新しい方もいらっしゃることと思います。
今回の特別展「三国志」では、その後の10年の新発見も見ることができ、過去の出土資料の再評価も行っているということです。
私は「大三国志展」は見なかったのですが、見た方でもきっと楽しめると思います!

まずは音声ガイドをゲット!

さて、ここからは体験レポートです。
博物館によくある「音声ガイド」
特別展三国志では2種類から選べます。
 ●三国志好きとして知られる吉川晃司さんのお声(550円)
 ●真・三國無双のキャラクターボイス(800円)
どちらも好きで迷いましたが、真・三國無双のほうを選びました。
だって、関羽・曹操・曹丕・夏侯惇の豪華共演なんですもの!
しかしイヤホン貸し出しの列が無双のほうが短かったのはなぜだったんでしょう……

※9月2日、二度目の訪問時には吉川晃司さん(のお声)と回りました!

写真撮影OK! 関羽像とのツーショットも夢じゃない

特別展三国志は、驚くことに全展示品写真撮影OKです。
フラッシュをたかない、三脚をたてないなど、いくつかの約束を守れば自由に撮影できますよ♪

入口を入ると、まず明や清の時代の三国志画が展示されていました。
三国志演義にあるお話を描いたものが多いでしょうか。
物語の内容を思い出しながら、当時の人々の表現力を楽しみます。

そこを過ぎると、チラシやポスターに載っているあの関羽像がお出迎えしてくれました!
大きさは実寸より大きめで、座っている姿で像高172センチ。迫力があります。

鎧のイボイボ(?)をつぶさに見たり、少し後ろのほうに回り込んだりと、思う存分立体造形を楽しみましょう。
こんな楽しみ方は直接見なければできません!

写真では何度も見ているはずなのに、実物をみると印象が全く違っていました。
そして、ここで嬉しいのが写真撮影OKということで、これはもしや、関羽様とのツーショット写真を撮れるのでは!?
私は一人でゆっくり楽しみたいヲタクなので、シャッターを押してくれる連れはいませんでしたが(笑)

※二度目の訪問時、見るからに歴史好きっぽい優しそうな方にシャッターをお願いして、おこがましくも関羽様とのツーショット写真を撮っていただきました! お恥ずかしくてお見せできませんが(笑)
シャッターを押して下さった方、ありがとうございました!!

まずは書画や像を楽しむ。横山光輝先生の原画も!

関羽像のあとは、三国志人物の像や、書、絵画がありました。
この記事の中ではあまりネタバレはしないつもりですが、下の土人形は雑誌「時空旅人」7月号(※)にも掲載されていたのでいいでしょう……

これは一時曹操に身を寄せていた関羽が曹操のもとを脱し、義弟の張飛と再会したシーンです。
張飛は最初、関羽が曹操の臣下になってしまったと疑っており、その誤解が解けて関羽に謝っているところです。
張飛のこの表情!

※「時空旅人」7月号は三国志特集。東京国立博物館主任研究員 市元塁さんによる展示品の魅力の紹介や、準備の裏話が載っています。

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時空旅人 2019年7月号 Vol.50 三国志

横山光輝先生の「三国志」の原画も随所に展示されています。
順路に沿っていくと三国志の流れに沿って楽しめるようになっていて、漫画の原画も入り口近くでは桃園結義、最後のほうは涙なくしては読めないあたりが展示されていました。

せりふの活字が別の紙に印刷されているものを貼ってあったり、ホワイトを入れてあったりと、生原稿ならではの迫力がありました。
線の一本一本も、黒のベタ塗りも、とてもきれいな原稿でした。

※ここまでお読みになって「後代の三国志受容にかかわる展示ばかりなの? 当時の文物は?」とお思いになった方、心配ご無用です!
東京の特別展「三国志」はいわば「はじめチョロチョロなかパッパ、赤子泣いてもふたとるな」でした。最後には曹操のお墓まで連れて行かれましたよ!

ネタバレはしないつもりですが……

これから特別展「三国志」へ行くのを楽しみにしている方になんでもかんでもご紹介してしまうとネタバレになってしまうので、雰囲気だけをお伝えしようと思っております。
しかしどこまでがネタバレになるのか……
例えば、1982年~1984年にNHKで放送された人形劇三国志の「川本喜八郎人形」が展示されていることはすでにご存知の方が多いかと思います……

この方があの方よりも目立っているショットにはちょっとびっくりです。
それにつけてもあの方はいつ見ても格好いい……!

※九州国立博物館の展示は東京の展示とは人形の並べ方が大きく異なるようです。たいへん壮観なようですよ!

これも公式さんがすでにネタバレされていると思いましたのでいいですよね?
真・三國無双の張飛の蛇矛を再現したものです。
とても大きかったです。ぜひ直接見て感じていただきたいです。

この他には、曹休の印とか、涼州の張将軍のお墓から出てきた青銅製のミニ兵馬俑の車馬行列とか、すっごいものがありました!
本当に見れば見るほどすごいです。
「リアル三国志」といううたい文句はだてではありませんでした。
本当に、実物を見ながら「後漢すげえぇ! 三国時代すげえぇ!」ってなりました!

二つだけ私がツボだったものをご紹介させて下さい……
蔡邕(さいよう)直筆と伝えられる熹平(きへい)石経と、曹操直筆と伝えられる摩崖石刻の書「袞雪(こんせつ)」の拓本です。
※横書きも右側から書かれており、「雪袞」ではなく「袞雪」です。

熹平石経は、後漢の時代に経書のテキストに異同があったため、公式の(?)テキストを石に刻んで基準としたものです。
これの現物を直に見る日が来るとは夢想だにしませんでした!

「袞雪」の書は、三国志関連の本やテレビ番組があるとつい見てしまうという三国志ファンの方ならどこかで目にされたことがあるのではないでしょうか。
あの「袞雪」を直に見る日が来るとは夢想だにしませんでした!
(あ、それなら曹休の印とかもそうですね!)

※二度目の訪問時に気付いたのですが、「袞雪」の拓本の左側をよく見ると「魏王」という文字がありました!
この拓本の写真は何度も見たことがあるのですが、「魏王」には初めて気付きました!!

もう一つだけスッゴイと思ったものをご紹介させて頂くと、後漢の時代の紙です。
見たところ、和紙のような質感でした。
漢代の紙ってもっとゴワゴワしたフェルトのようなものだろうと想像していましたが……これを見ることができただけでも特別展「三国志」に行ってみてよかったです!!

ちなみに銅鏡の模様がついていない側ってツルツルなのご存知でしたか?

※二度目の訪問時に気付いたのですが、下の画像の、お墓の副葬品として土で作られたこの鏡台は、設置されている鏡の鏡面が裏側に行ってしまっており、文様が正面を向いていますね。
これでは鏡としての役割が果たせないのではないでしょうか。副葬品を作った人が鏡を取り付ける向きを間違えたのでしょうか??

あと、お墓の副葬品として土で作られたミニチュアの穀物庫なんですが、門の内側にある土嚢袋のようなものまで作られていました。
パッと見では見えないところまで仕事キッチリです。

このように、図録を見るのとは違い、現物をいろんな角度から見ることができるので、実際に見に行くことはとてもいいなと思いました。

あと一つだけおすすめしますと、五銖銭(ごしゅせん)が展示されている場所で、蜀の直百五銖銭と呉の大泉当千銭も並べて展示されていのを注意深く見て頂きたいです。

直百五銖銭は五銖銭百枚分、大泉当千銭は五銖銭千枚分ということでそれぞれ蜀と呉が作ったものです(あまり普及しなかったようです。額面が大きすぎたせいでしょうか)。

直百五銖銭は五銖銭より厚みがすこしあり、大きさはあまり変わりません。
大泉当千銭は五銖銭と分厚さはあまり変わりませんが、大きさが一回り大きいです。
蜀と呉では高額貨幣の価値の出し方が違ったんだねと思って面白かったです!

※これも二度目の訪問時に気付いたことですが、大泉当千銭の真ん中にあるものは五銖銭とほとんど大きさが変わりませんでした。
これでは高額硬貨として定着するわけありませんね……

演出がすばらしい

展示内容がすばらしいのはもちろんですが、演出もすばらしかったです。
兵器が展示されているスペースでは、赤壁の戦いをイメージして1000本もの矢をぶら下げて矢が飛んでいる様子を表現したり、曹操高陵(曹操の墓とされている)の発掘品が展示されているスペースでは、高陵の間取りを再現するように木が組まれていたり。
実際に合戦場にいるような気分や、高陵に入って行くような気分を味わうことができました。

音声ガイドもすごい

入場してすぐに借りた音声ガイドですが、これがまたすばらしかったです。
キャラクターたちが自分の目線から展示内容を説明してくれるんです。
曹丕が詩を朗読してくれたり、曹操と夏侯惇が赤壁の戦いの時の思い出話をしたり。


下の画像は蜀で作られた漆器が呉の朱然の墓から出てきたというもので、当時の蜀と呉の交流をしのばせる品です。
この説明の時に、朱然が関羽を捕らえた時に褒美としてこれを与えられたのかもしれない……という話があったのですが、当時のことを関羽が無念そうに話してくれるんですよ!
涙出そうになりました。

音声ガイドに沿って最後まで回ると、曹丕がものすごく嬉しいことを言ってくれました。曹丕ファンの方はぜひお聞き逃しなく!
あと、シークレットトラックというものがあり、「○○○志」の「○○○」にあてはまる数字を入れると再生されます。
九州の展示向けのオリジナルメッセージがあるという噂……!

人形劇の曹丕様と目が合いました

※二度目の訪問時には吉川晃司さんの音声ガイドでまわりました。
ナビゲーターが吉川晃司さん、ナレーターが鈴木渢さん。
お二方とも落ち着いたお声でしっとりと味わうことができました!
一回目の無双ガイドは楽しすぎて、正直、展示にあまり集中できなかったんですよ(笑)
無双ガイドでは無双キャラクターの皆さんの掛け合いや実感のこもったトークを楽しみましたが、吉川晃司さんのガイドでは吉川英治『三国志』の味わい深い朗読を楽しむことができました♪

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吉川英治 三国志 全8巻セット (講談社吉川英治文庫)

おみやげもすごい

こうしてめでたく最後までまわり、図録とおみやげを買いました。
どれもこれも欲しくなってしまうラインナップです。
これは行ってからのお楽しみにして頂きたいのであまり細かく言わないようにしますね。

私が買ったのは下のようなものです。
曹操が悪そうな顔をしているクリアフォルダは、裏面が諸葛亮で、内側が孫権と劉備という豪華メンバーでした。知らずに買ったので、持ち帰ってからものすごく得した気分になりました。

まとめ

特別展「三国志」は人形劇三国志、横山光輝三国志、真・三國無双とのコラボレーションがあるため、もしかすると「ミーハーな企画ばかりで展示内容は大したことないんじゃないの」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。

ところがどっこい、「一生のうちにこんなすごいものを見る時がくるなんて!」と思うほど。想像以上のリアル三国志でした。
漫画やゲームや人形劇と、当時の貴重な文物とが、両方違和感なく楽しめるとはすごい展示だと思いました。
ぜひ行っていただきたいです!

見所が満載すぎて、説明書きを読みながら回るとものすごく時間がかかってしまうと思います。

私は予習して行ったので、効率よく回ることができました。
それでも4時間もかかってしまったんですよ……!
(ゆっくり味わいすぎですね)
これから行かれるという方には、予習をおすすめします♪
以上、感動さめやらぬまま特別展「三国志」レビューでした!

他のおすすめ記事:特別展「三国志」で考えた黄河文明と長江文明のこと

※追記:Amazonで公式図録を売っていました。当日の荷物を減らしたい方には嬉しいですね!
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特別展「三国志」公式図録
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“特別展「三国志」に行ってきた!みどころを紹介” に8件のコメントがあります

    • 私はたまたま東京なら日帰りできる所に住んでいますが、名古屋からだと、不可能ではないですがやはり遠いですよね。
      全国巡回展示して欲しいですね。
      十年くらい前の「大三国志展」はもっと何カ所も回っていましたが。
      名古屋にも行きましたよね。

  1. レポートありがとうございます
    スゴく濃い内容ですね!
    まるクルルさんの興奮が伝わってきます。
    なんか、復習の内容を確認するために、2回目の見学がありそうな感じします。
    音声ガイドは吉川晃司さんで
    関羽とのツーショット写真を撮るために、娘さんをカメラマンをお願いするとか?

    謝ってる張飛の人形、良くできてますね

    • これ、ネタバレにならないようにとセーブしながら書いているので、本当はもっともっと濃い展示です♪
      興奮冷めやらぬまま書きました(笑)
      娘も三国志が好きなので、よんよんさんがおっしゃっていたプランを私も考えていたのですが、娘に打診したところ、さほど行きたいような様子もなく拍子抜けしております。
      中学生になって部活が忙しくなり、お休みの日は家でゆっくりしたいようです。
      もう一回一人で吉川晃司さんの音声ガイドを聞きにいこうか迷います……
       
      張飛の人形は土製ですが、生きているような表情ですよね。
      清の時代の張玉亭という人の作品だそうです。すごい腕ですよね!

      • 娘さん三国志好きなのに、拍子抜けしちゃったんですね。
        部活頑張ってるので、家でゆっくりしたい気持ちもわかります。

        曹休印を押印した手作りクッキー
        をふるまえば、特別展に行こうって気持ちになるかもしれませんね?

        • 曹休印のクッキー型にはとても興味があるのですが、じつは買っていないんです!
          「偏将軍」と「袞雪」のクッキー型を買いました。
          娘は「袞雪」は分からないと思いますが、「偏将軍」は分かると思うので、クッキーを食べたくなったら焼いてみたいと思います。
          (「偏将軍」が分かる中1女子って……プププ。親の顔が見てみたい!)

  2. おつかれさまです!
    素敵なレポートにワクワクです。
    遠方のみなさんには申し訳ないですが、私も住んでいるところから上野は日帰り射程圏内なので、ぜひ、まるクルルさんのレポート参考に回ってみたいと思います。
    それにしても、見るところがすごい!そっか、そんなふうに見るのか…と感動しました。
    のほほんと見て終わってしまった大三国志展と同じ轍を踏まぬように気をつけます。
    レポートありがとうございました!

    • 自分のワクワクを叩き付けるようにキーボードを打ちました♪
      私のレポートのことは忘れて無心に楽しんでいただくほうがよろしいかと!
      ツイッターで特別展三国志の素敵な画像がたくさん出回っているので、それを見てお腹いっぱいになって行かなくなってしまう人がいたら残念だなと思い、現地に行かなければ見られないアングルからのご紹介をこころみました。
      ぜひ大勢の方にご自分だけの特別展三国志を味わっていただきたいです。
      けいろくさんの三国志熱がますますもりあがるといいですね!

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