特別展「三国志」で考えた黄河文明と長江文明のこと

2019年7月9日(火)から東京国立博物館で開催されている特別展「三国志」
三国志好きの方なら気になる展示ですよね。もう見に行ったという方も大勢いらっしゃるかと思います。

たくさんの素晴らしい展示品の中で、この犬の像が気に入ったという方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

これは山東省にある曹植のお墓から出土した副葬品です。
素朴で味わいがあり、なんとも可愛らしいですよね!

一方、こちらは同じ時代に四川省のお墓から出土した副葬品の犬です。

魏の犬と蜀の犬とでは、ずいぶんクオリティが違うなぁという印象です……

魏の武帝(曹操)や文帝(曹丕)はお墓の副葬品に豪華なものを入れないほうがいいと考えていたそうですので、そのために魏の犬は簡単な作りになったのかもしれません。

しかし、豪華かそうでないかというだけでなく、何かモノ作りに対する態度の違いのようなものを感じませんか……?
(どちらの犬も本当にかわいいんですけど!)

もしかして、これは黄河文明と長江文明の違いでは!?

蜀の揺銭樹(後漢・青銅製)

三国志の魏があった地域は黄河文明発祥の地ですが、黄河文明と時を同じくして、蜀や呉のあった地域では長江文明が栄えていました。

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黄河文明の殷王朝の遺跡からはたくさんの青銅器が出土していますが、四川省の三星堆遺跡からも同じ頃の青銅器が出土しており、殷の青銅器に勝るとも劣らない精巧なつくりをしています。

こういう予備知識がある上で魏と蜀のワンちゃんを見比べたところ、もしやモノ作りにおいては蜀や呉に先進の技術があったのでは? と思いました。考えすぎでしょうか(笑)

以下、私の妄想ツイートです↓

この雑感が当たっているかどうかは分かりませんが、特別展「三国志」を見に行かなければ考えもしなかったことなので、行ってみてよかったです。
これから特別展「三国志」をごらんになる方はぜひご自分の新しい発見を探してみてください!

他のおすすめ記事:特別展「三国志」に行ってきた!みどころを紹介

※追記:Amazonで公式図録を売っていました。当日の荷物を減らしたい方には嬉しいですね!
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特別展「三国志」公式図録

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“特別展「三国志」で考えた黄河文明と長江文明のこと” に4件のコメントがあります

  1. つい先日行って来ました、三国志展!すごい人の多さに、普段周囲に三国志が好きな人のいない私は、「こんなに同志がいるのか…♪」と感動しました(笑)

    私もこの犬の微笑ましさはたまらなかったです。元が異なる文明による技術者の差異、なるほど、と。私などまるクルルさんの記事に出会わなければまったく夢想だにできません(笑)
    なんだかとてもたくさん想像できますよね…♪同じ猫のキャラクターでも、ヒグチユウコさんのような描写もあれば、サン◯オのキ◯ィちゃんのようなシンプルなデザインもあったり…その地域の「声の大きな方々」が「これイイね」っていうのがその地域の「いい作例」として方向性が決まっていったりするのかな…でも、交流が盛んであっただろう時代ですし、流行りの良い悪いだのは、すぐに混じり合うはずですので、ここまでの同時代の差は、長い年月で培われた文明・文化の価値観と技術の差なのかもしれないですものね♪

    たいした知識を持ち合わせていないような者に、わくわくするような考えを触発させてくださる記事に、本当に感謝しています。

    しまったなぁ…もう一度行きたいです(笑)

    • 三国志展に行くことができよかったですね!
      私も三国志展のにぎわいが嬉しくて、誰彼かまわず話しかけたい気分になりましたが我慢して黙々とまわってきました。
      全然知らない方に写真のシャッターをお願いしましたが(笑)
       
      犬の像はほんとにかわいいですよね。もしお土産コーナーにこの犬のぬいぐるみがあったらきっと買ってしまうと思います。
      文明・文化の違い、というのは単なる思いつきですが、三国志展に行かなければ考えもしなかったことなので、いい刺激をいただいたなぁと思っています。
      何度でも行きたくなりますね!
       
      ところで、他の場所でちょっとお話しした三国志漫画のことですが、家では横山光輝三国志をバーンと並べておきました。
      娘が小学校2年生の夏休みに暇にまかせて読み始めて、シメシメと思ったのを覚えています。
      少年誌に載っていた漫画なので、子供にも安心して読ませることができていいと思います!

  2. 犬のクオリティ、ずいぶん違いますが、かわいい感じはでてますね。
    まるクルルさんのおっしゃるとおり、技術力の差の可能性ありますね。

    今回の記事を読んで個人的に思ったのは、犬を食用と考えたか、
    人間の良き友として考えたかの違いかなと思いました。
    蜀の方はお座りしてて従順な感じで、
    魏の方は足がないので、お肉の多い部分だけを表現したのかなと思いました。(汗)

    • どちらの犬もとてもかわいいですよね。
      魏の犬はあまり熱心に造形していないのかなという気がしますが(笑)
       
      犬を食用と考えていたから肉の多い部分だけを表現したという考え方は斬新ですね!
      なるほど……ありえない話ではありませんね。どうなんでしょう……!?

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