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三国志小説 『ショッケンひにほゆ』 目次 ☆☆プロローグ☆☆ 一、焚火(たきび) 【バカ隊長の手料理に兵士504名殺到! 叫喚地獄!】 二、城壁にて 【夜明けのおんぶ作戦! これを登れねえ時は俺が死ぬ時だ!】 三、おもて …

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九十一、予感(1)

 ふうん、隊長、境遇を変えたいなんていう希望を持っていたんだな。で、それが却下されたってことなのかな? とすると、当面は現状維持か。それで心身がもつならいいけどさ。なんだかんだ言って、やっぱ別(べつ)部(ぶ)司馬(しば) …

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九十一、予感(2)

「簡単そうに言うねえ。オレ演技の勉強なんかしたことないよ?」 「りょ、りょ、呂布(りょふ)だ~っ! みたいな勢いでやればいいんじゃないですか?」 「呂布~? アハハハ、いつの時代のどこの話? 今の魏(ぎ)に、その名前を聞 …

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九十一、予感(3)

 サソリの調理が終わったらしい。オエ。いや、食べ物なんだから、オエなんて言うのは失礼だ。屋台の雰囲気を出すためか、ご丁寧に串に刺してある。オエ。蝦(えび)だと思って見ればいいんだ。う~ん、遠目には蝦(えび)のように見えな …

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九十一、予感(4)

 黄屯長は素直に隊長のところに歩いて行って、一緒に調理器具を運び始めた。なんの話してんのかな~。身をかがめながら肉迫する。俺が盗み聞きをしようとするのは決してスケベ根性からではない。隊長がどういう状態でいるかを把握してお …

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九十一、予感(5)

「根回しとか、なんかしたほうがいいんですか?」 「黄(こう)さんはジタバタしないほうがいいよ。おれ将軍に間違いないように念押ししといてくれるように言っとく。そんな心配より、馬(ば)平北(へいほく)麾下(きか)の誇り高い兵 …

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九十一、予感(6)

「ちょっと生活習慣変えたほうがいいんじゃないですか?」 「う~ん、これをやめちゃうと、なんか他の理由で寿命縮みそうだな。朝に気持ち良くお料理する時間を持たないと、イライラがたまって暴れて死刑になっちまうかもよ」 「それ寿 …

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九十一、予感(7)

「いや隊長がどう答えるかは知りませんよ。ほぼ無理なんじゃないですか? そのケないってはっきり言ってましたよ」 「そういう先入観で可能性を閉ざしてしまうのは惜しいね。自分で自分の限界を決めるな、ってよく言うじゃない? 思い …

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九十一、予感(8)

「アハハハ、案外ヒマ人かもね。なんかさあ、慌ただしくてバタバタしてる時って、結局なんにも手に着かなくてブラブラしちゃわない? だからさ、ちょっと野暮用で、ってさーっと失踪しちゃって、他のみんなが準備を整えてくれたところで …

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八十九、辛辣青菜豆腐湯(シンラーチンツァイドウフタン)(1)

 今日は隊長は夜明け前から王(おう)仲純(ちゅうじゅん)と一緒にサソリ獲(と)りに行っている。昨日隊長が何気なく「毒を持ってる生き物は旨いやつが多い」と言っていたら、仲純(ちゅうじゅん)がサソリを食ってみたいと言い出して …

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八十九、辛辣青菜豆腐湯(シンラーチンツァイドウフタン)(2)

 指先で書きつけをつまみ上げながらしげしげと眺めていると、隊長がルンルンと部屋に入って来た。 「あの、」 先ほどの顛末(てんまつ)を報告しようとしたが、思わず妙な質問をした。 「もしかして今、十歳くらいのガキンチョに化け …

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八十九、辛辣青菜豆腐湯(シンラーチンツァイドウフタン)(3)

 仲純がサソリの入った壺(つぼ)を指定された場所に置き、横にしゃがみ込んで中の様子を楽しげに眺めている。 「ねえそれ、蓋(ふた)しとかなくて大丈夫なの?」 「いや、よじ登ってくるから蓋は必要だ」 「じゃあさっさと蓋してく …

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八十九、辛辣青菜豆腐湯(シンラーチンツァイドウフタン)(4)

 夕方になった。一日の課業を終えて隊長室に行く。隊長はまだ戻って来ていない。サソリ、静かだな。カサリとも言わないぞ。…………。部屋の片隅に置いてある、網(あみ)と石の乗っかった壺(つぼ)。俺はそれの対角線上に、めいっぱい …

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