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三国志小説 『ショッケンひにほゆ』 目次 ☆☆プロローグ☆☆ 一、焚火(たきび) 【バカ隊長の手料理に兵士504名殺到! 叫喚地獄!】 二、城壁にて 【夜明けのおんぶ作戦! これを登れねえ時は俺が死ぬ時だ!】 三、おもて …

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九十八、撤収(1)

 十日程で、隊長はまあまあ元気に戻った。昨日の朝俺が起きた時には、呑気にお茶を淹れながら 「いいとこに起きてきたなあ。ちょうど茶葉が開いてきたとこだぞ。峨眉山(がびざん)の竹葉茶(ちくようちゃ)」 と言って微妙に青臭いお …

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九十八、撤収(2)

 ほかほかの薄餅(バオピン)夾蛋(ジアタン)にみんなが恍然(こうぜん)としている間に、隊長が空(から)の鍋を持ち上げてよっこらせと立ち上がった。俺はすかさず鍋をひったくった。 「鍋、洗いますよ。いいですね」 隊長は気圧( …

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九十八、撤収(3)

「はい、どうぞ、できたてアツアツです。不用意に食ったら上あごの皮めくれるぜ」 つやつやと黄金色に輝く滑(なめ)らかな餡(あん)から、薄絹のように気品漂う湯気が立ち上っている。微風にゆらりゆらりと揺蕩(たゆた)う湯気の下に …

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九十八、撤収(4)

「馬鞍山(ばあんざん)で戦死したあと丞相の妖術でよみがえった不死身の僵屍(キョンシー)戦士だとか、古(いにしえ)の失われた科学技術で作られた偃師(アンド)偶人(ロイド)だとか」 「どれも断片的なネタばっかじゃねえかよ。そ …

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九十八、撤収(5)

「おっと、季寧が言ってた『自分ら』の中には俺様も含まれているわけ? しかし季寧と俺とでは目指してる方向が全然違うだろ」 「隊長はなんのために戦ってるんですか?」 「三百年後の泰平のため」 「まだ諦めてないんですか?」 「 …

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九十八、撤収(6)

 通常、将校の集まりなんかに俺は同行せず勝手に行かせておくのだが、今日はなんとなく心配なので、少し経ってから様子を見に行くことにした。もし何かあった場合、黄屯長一人では人手が足りないだろう。俺が着いた時には、ちょうど散会 …

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