六十八、葫藘絲(フールースー)(5)

「いや、そこまでの覚悟はないですけど」
「あっそ。よかった。いろいろ言っちまったけどその通りやって失敗しちまったって言われても責任取れねえからよけいなこと言っちまったと後悔してたんだ。べつに大した思い入れもないんだったらよかったよ」
そういえば、なんで隊長に恋愛相談なんかしてるんだろう。おかしいな。ありえない。にわかに不審顔になって首をかしげていると、隊長はニマニマしながら語を継いだ。
「こういうことは瞬発力が大事だと思うよ。悠長にかまえていると他の男がかっさらって行くかもしれない。男兄弟だの父親だのと遠回りしないで取るものも取りあえずコクってみるのもいいかもね。結婚を前提にお友達から始めましょうってさ。なに言ってるのこの人、変な人、って笑いがとれたらしめたもの」
「そりゃあ隊長が白馬の王子様みたいななりをしてそんなことを言えば女の子も喜んで笑うかもしれませんがね、普通の人間が突然そんなことを言い出したら不気味がられるだけですよ」
「恐れてなんにもしなかったらとっかかりがつかめねえじゃん」
「女が不気味がって明らかにヒイてたら、隊長だったらどうするんですか?」
「びっくりさせてごめんなさいって素直に謝ってすごすご退散すると見せかけて、ちょくちょくそいつの前に偶然をよそおって出没してやるよ。いっさい気のあるようなそぶりも見せず視線も合わせず、決して迷惑をかけない無害な人みたいに見せかけて、相手が油断した頃合いを見計らって再挑戦」
「自分の場合、女の前にちょくちょく出没するような時間的余裕はないんですけど」
「じゃあやっぱ手っとりばやくお母さんやお兄さんに聞けば? そんで、つてをたどって相手方に意を通じればいいんじゃん。家同士の話になれば、差し障りのない限りとっとこ話が進むかもよ。もし家同士で何か不都合があるようなら、やっぱ本人の心をつかんで、季寧くんと一緒になれないなら一生お嫁になんか行かないから! って頑張ってもらうしかないだろうけど」
「いや、なにもそこまでの思い入れもないんですけど、っていうか基本的に全然知らない人ですし」
「直感とか勢いとかって大事じゃん。思い立ったが吉日だよ」
言いながら私物をゴソゴソとあさり始め、何やら乾物の入った袋を出してきて無造作に俺に押しつけた。
「これ、お母さんに届けてきてくれる?」
「は? なんですか?」

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“六十八、葫藘絲(フールースー)(5)” に2件のコメントがあります

  1. お母さんに届け物?
    今回も隊長さんの考えが予想できないですね?
    季寧くんどうするんでしょうか?

    ドライブはコスチュームも世界観も両方お好きで、
    自動車自体もお好きなんですね
    赤い愛車に乗るドライブがカッコよかったのを覚えます。
    キャラクターも魅力的だったんですね。
    私、DVDの1・2巻と最終巻しか観てないのて詳しいことは分からないんですが、
    ヒロインの女優さん可愛いかった
    のは覚えてます。(汗)

    ブラックはシャドームーンの登場で
    いっきに盛り上がったかなと思います。
    ゴーストで歴史上の人物がモチーフになったので、三国志の登場人物も有りかなと思います。
    五虎将軍をモチーフにした
    ライダーのフォームチェンジとか面白そうです

    特別展三国志は
    ユリイカの出版社のwebサイトに告知されてたものですかね?
    関東はいろいろなイベントがあってうらやましいです。
    差し支えなければ
    特別展の感想をレポートして頂けると嬉しいです

    • お母さんにお届け物の意図は明日わかります♪
       
      ドライブの赤い車は憧れますねぇ~(*´ω`*)
      霧子ちゃんも本当に可愛かったです。
      ブラックのシャドームーンは当時としては新感覚の敵役だったようですね。
      ちょうど昭和が終わる頃に、新しいヒールが登場したようでo(^-^)o
      五虎将軍をモチーフにしたライダースーツを想像すると、面白そうだなと思いました!

      特別展三国志はユリイカのサイトで紹介されていますね。
      東京と九州で開催されるそうです。
      行くつもりですので、いずれブログでご紹介したいと思います!

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