七十三、檳榔(びんろう)(2)

「嬉しいんだけどさあ、焼き立てってめちゃくちゃ熱いよね」
「ベロやけどしますね」
「味どころじゃないよね。指も熱いし」
「我慢大会ですね」
言いながら、焼き立てアツアツのお菓子を皿に取って几案の上に置く。
「異度くん、今回はどこにいたんだい?」
「左翼にいたんですよ。なので、矢を受けながらくじけず前進できるかな、っていう練習でした」
「あっそう。左翼、ちゃんと突っ込んできてたもんね。偉い偉い」
「あとでうちのよい子たちに今の言葉おっしゃってって下さい。喜びますから」
いいなあ羌族の奴ら。俺たちのことは誰が褒めてくれるんだろう。つまんねえ。
「分かった。このめちゃくちゃ急いで焼かれたお菓子がちゃんとおいしかったらそれ言ってあげるよ」
熱そうに指先でつまんで、ほふほふ言いながら咀嚼そしゃくする。
「あふい。あーおいしいねえ。じゃ、ちゃんとよい子たちを褒めとくね。ウフフ」
隊長も一つを口に入れて、我慢大会のように口を開けずにもぐもぐと咀嚼する。
「はあ」
「なにその溜め息」
「熱かった」
「連絡係の件、よかったね。ちゃんと正常な形になって」
「そうですね……」
「異度くんが何か働きかけたのかい?」
「そうですよ~。も大変でしたよ~。まあ自分がいた種ですから、なんとか刈り取ることができてよかったです」
楊長史ようちょうし尻尾しっぽ振ってご機嫌とってきたの?」
「はい」
「で将軍にも根回ししたわけ?」
「はい」
「で楽城がくじょうにも挨拶したの?」
「はい」
「アハハハ。ご苦労様」
隊長は笑顔でチッと舌打ちをした。

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“七十三、檳榔(びんろう)(2)” に2件のコメントがあります

  1. 隊長さん、根回し頑張ったんですね。廻りの助言に素直にしたがった感じですかね?

    蜂蜜酒って甘口、辛口ってあるんですね!辛口のお酒も好きなので、注文した蜂蜜酒はどちらか楽しみです。

    ちょっと話題変わりますが、
    私、たまに某ラジオ局の中国語講座を聞いてるんですが、
    三國志をテーマにした講座があれば面白いかなと思いました。
    以前、英語講座でボランティアや洋楽、芝居をテーマにした短期講座が
    あったので中国語講座でも有りなんじゃないかと思ってます。

    まるクルルさんの監修で
    『中国語で声に出してみよう三國志の英雄の名言』とか
    『三國志の名場面で学ぶ中国語』などあったら楽しい講座になるんじゃないかと妄想してます。

    • 魏延も楊儀も妥協しないから自分が頭下げるしかないと思ったんでしょうねぇ(´・ω・`)
       
      辛口のお酒も大丈夫とうかがってほっとしました。
      お口に合うといいですね!
       
      中国語を勉強したい人は多いですから、いろんな好みに対応した講座があるといいですよね。
      三国志だったら、Three Kingdomsやレッドクリフがスキットになっていればファンの頭に浸透しそうです。
      「あの時あの人物はこう言った」と思えば、文法や単語を習ってなくても覚えられそうですよね。

      家には中国ドラマ三国演義のせりふで覚える中国語講座の本があります。
      載っているのは張飛のせりふばかりです。
      他の人物は格調高い時代劇口調でしゃべることが多いですが、張飛はふつうの口語でしゃべるシーンが多いからです。
      これで覚えると張飛節が身についてしまいそうですね(笑)

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